産廃収集運搬業の許可申請に必要な書類について
このページでは、産業廃棄物収集運搬業の許可申請に必要な書類について解説しています。
産業廃棄物収集運搬業許可の要件で見たように、許可を受けるためには、人的要件、物的要件、金銭的要件を満たさなければならず、提出する書類は、それらを満足していることを証明するためのものです。
それでは一つずつ見ていきましょう。
- 1 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 2 事業の範囲を記載した書類
- 3 運搬施設の概要を記載した書類
- 4 運搬容器のカラー写真(運搬容器がある場合)
- 5 事業計画の概要を記載した書類
- 6 定款
- 7 履歴事項全部証明書
- 8 住民票の写し
- 9 成年被後見人等に該当しないことの証明書
- 10 政令使用人がいる場合、代表者による使用人を定める旨の申立書及び使用人の位置づけがわかる組織図
- 11 欠格要件に該当しないことの誓約書
- 12 講習会の修了証の写し
- 13 事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類
- 14 財務諸表等
- 15 損失の理由及び改善計画を記載した財務計画書
- 16 運搬車の車検証の写し、駐車施設の図面、周辺の地図
- 17 運搬車の写真
- 18 運搬車・駐車施設の継続的な使用権原を証する書類
- 19 事業計画に記載した処分引受者の許可証の写し
- 20 積替・保管を行う場合、施設の図面、設計計算書、周辺の図面
- 21 積替・保管を行う場合、施設の所有権または使用権を有していることを証明する書類
1 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
で詳しく解説していますので、こちらをご確認ください。
2 事業の範囲を記載した書類
で詳しく解説していますので、こちらをご確認ください。
3 運搬施設の概要を記載した書類
運搬施設とは、産業廃棄物を運搬するための車両と産業廃棄物を収納する容器(ある場合)のことです。
運搬車両については車検証を見れば記載できます。
運搬容器はについては、名称、用途、容量を記載します。
次に示すような様式です。
4 運搬容器のカラー写真(運搬容器がある場合)
5 事業計画の概要を記載した書類
事業計画の概要としては次のとおり、事業の全体計画と取り扱う産業廃棄物の種類、運搬量を記載します。
事業の全体計画
事業の概要として、産業廃棄物の排出事業場、運搬先が中間処理場か最終処分場か、また、営業の範囲として、事業を行う都道府県名も記載します。
取り扱う産業廃棄物の種類及び運搬量
様式に則って、廃棄物の種類ごとに1月当たりの運搬量、性状、排出事業場、積替え保管の場所、運搬先を記載します。
様式は次のとおりです。
6 定款
定款は、各会社で保管してあると思いますので、そのコピーを取って、最終ページまたは裏側に原本証明をしてください。
事業の目的に、「産業廃棄物処理業」の記載されているものが必要です。
ない場合は追加、修正しましょう。
7 履歴事項全部証明書
発行から3か月以内のものを添付します。
定款と同様に、事業の目的に「産業廃棄物処理業」の記載されているものが必要です。
記載がない状態で提出する場合は、目的へ「産業廃棄物処理業」を追加することを可決した株主総会議事録等、または今後追加するということを記載した申立書を提出することで、申請は受理されます。
その場合は、速やかに修正して、追加提出しましょう。
8 住民票の写し
住民票の写しは、役員全員と5%以上の株主又は出資者の者が必要です。
発行から3か月以内のものが必要です。
9 成年被後見人等に該当しないことの証明書
この証明書は法務局が発行する「成年被後見人に該当しないことの証明書」です。
または医師の診断書でもよいとされています。
10 政令使用人がいる場合、代表者による使用人を定める旨の申立書及び使用人の位置づけがわかる組織図
「政令で定める支配人」とは、営業所や支店の責任者で、いわゆる営業所長や支店長などで、業務に係る契約を締結する権原を有する者が該当します。
支店長であっても、契約は本社に任すというような場合は、該当しません。
参考様式として次の者が用意されています。
11 欠格要件に該当しないことの誓約書
12 講習会の修了証の写し
講習会を受講し、試験に合格すれば修了証が交付されます。
修了証の有効期限は5年です。5年を過ぎるとその修了証では申請できなくなりますので早めに申請しましょう。、
13 事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類
事業の開始に要する資金は、営業所や駐車場等の土地に係る費用、事務所、車両、積替え保管施設に係る費用等がありますが、事業の実態に合わせて適宜記入します。
調達方法は、自己資金、借入、増資等を記載します。
様式は次のとおりです。
14 財務諸表等
直前3年の各事業年度における次の財務諸表を添付します。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
15 損失の理由及び改善計画を記載した財務計画書
直前3年間の各事業年度における決算書において、営業利益、経常利益、当期純利益、繰越金のいずれかに損金がある場合に必要になります。
すなわち、赤字であっても適切な計画を示すことで書かを受けることはできます。
参考様式として次のようなものが提示されています。
16 運搬車の車検証の写し、駐車施設の図面、周辺の地図
駐車施設の図面は寸法入りのものが必要です。
周辺の地図は、手書きでもいいですし、グーグルマップでも張り付けておけばいいでしょう。
17 運搬車の写真
前面と側面のカラー写真が必要です。
前面写真はナンバーが明瞭に映っていること、側面写真は他社の名称等が表示されていないことがわかるようなものであることが必要です。
次のような写真を貼り付ける様式が準備されています。
18 運搬車・駐車施設の継続的な使用権原を証する書類
自社所有の場合は、16の車検証の写しで足ります。
他者所有で、貸借している場合は、賃貸借契約書の写しが必要です。
賃貸借契約書に運行管理責任者の記載がない場合は、そのことを明記した別の書類を添付する櫃夜がありますので注意しましょう。
19 事業計画に記載した処分引受者の許可証の写し
これは、事業計画に記載した処分引受業者のうち、広島県外の業者がある場合にその業者の許可証の写しを添付します。広島県内の業者の場合は不要です。
20 積替・保管を行う場合、施設の図面、設計計算書、周辺の図面
積替え施設、保管施設の構造がわかるような平面図、立体図、断面図、構造図及び設計計算書が必要です。専門家に依頼しましょう。
21 積替・保管を行う場合、施設の所有権または使用権を有していることを証明する書類
積替え施設、保管施設が自社所有の場合は、登記簿謄本、他者所有で貸借している場合は、賃貸借契約書が必要です。
以上、産業廃棄物収集運搬許可申請に必要な書類をざっと見てきました。
想像していたよりも多いでしょうか?少なかったでしょうか?
これだけの書類を収集、作成するのは結構な労力が必要であることは間違いありません。
面倒な書類の作成や手続きは専門家に任せて、ご自身のビジネスに集中する方が結果的に効率がいいかもしれません。